知って得する!レジスタントスターチの魅力

最近、冷やした焼き芋がブームとなっています。東京では渋谷や表参道などの人気エリアにも専門店が続々とオープンし、連日行列ができるほどの人気です。冷やし焼き芋は、甘みが増し、冷たくてもホクホクとした食感が楽しめるため、その魅力に多くの人が引き寄せられています。
しかし、この冷やし焼き芋には、味だけでなく健康にも嬉しい秘密が隠されています。それが、レジスタントスターチです。この記事では、トレーナーの皆さんがクライアントに役立つ知識として、レジスタントスターチがどのような食品に含まれているのか、その効果について詳しく解説します。

レジスタントスターチとは何か?

レジスタントスターチ(Resistant Starch)は、消化酵素に対して抵抗性を持つデンプンの一種です。一般的なデンプンは、小腸で消化酵素によって迅速に分解され、グルコースとして血流に取り込まれますが、レジスタントスターチは異なる特性を持っています。

レジスタントスターチの特徴

●消化酵素に対する抵抗性
レジスタントスターチは小腸の消化酵素によって分解されにくいため、消化が遅れます。これにより、血糖値の急上昇を防ぎ、インスリンの分泌を安定させる効果があります。

●大腸での発酵
小腸を通過したレジスタントスターチは大腸に到達し、腸内細菌によって発酵されます。この発酵過程で短鎖脂肪酸(SCFA)が生成され、腸内環境の改善や腸壁の健康維持に寄与します。

●食物繊維としての役割
レジスタントスターチは食物繊維と同様の機能を持ち、便通の改善や腸内フローラのバランスを整える効果があります。

レジスタントスターチの種類と食品源

レジスタントスターチは、その性質や生成過程に応じて以下の4種類に分類されます:
〈RS1〉全粒穀物、種子、未加工の豆類に含まれるデンプンは、細胞壁や種皮で物理的に保護されているため、消化酵素に分解されにくいです。

〈RS2〉生のジャガイモや未熟なバナナに含まれるデンプンは、分子構造が特殊で消化酵素が分解しにくいです。

〈RS3〉冷やご飯、冷えたパスタ、ポテトサラダに含まれるデンプンは、加熱後に冷却される過程で再結晶化し、消化酵素に対して耐性を持ちます。

〈RS4〉特定の加工食品や食品添加物に含まれるデンプンは、化学的に修飾されることで消化酵素に分解されにくくなっています。

レジスタントスターチを含む食品

それではどのような食品にレジスタントスターチが豊富に含まれているか?食品の一例を見てみましょう。
●冷やし焼き芋
冷やし焼き芋の場合、焼き芋を加熱調理した後に冷やすことでRS3が形成されます。このプロセスにより、
でんぷん分子が再結晶化し、消化酵素に対して抵抗力を持つようになります。これにより、冷やし焼き芋は腸内の健康を促進するための良いレジスタントスターチ源となります。

●完熟していないバナナ
完熟していないバナナには、主にRS2(未熟デンプン)が含まれます。RS2は生の状態で消化されにくいでんぷんで、未熟なバナナや生のポテトなどに多く見られます。完熟していないバナナには、でんぷんが消化酵素に対して抵抗力を持つため、消化されにくく、レジスタントスターチとしての役割を果たします。

●冷やご飯」
冷やご飯には、主にRS3(レトログレードスターチ)が含まれます。
炊いたご飯を冷やすことで、でんぷん分子が再結晶化し、消化酵素に対して抵抗力を持つRS3が形成されます。このプロセスにより、冷やご飯は腸内環境を改善するためのレジスタントスターチの良い供給源となります。コンビニのおにぎりを温めずにそのまま食べるのも、レジスタントスターチを摂取する一つの方法です。

●豆類
レンズ豆やヒヨコ豆はその細胞壁や構造により、でんぷんが消化酵素にアクセスしにくい形になっています。これにより、RS1として分類されるレジスタントスターチが含まれます。

レジスタントスターチの摂取方法と注意点

レジスタントスターチを摂取するには、以下のポイントに注意することが重要です:
適度な量の摂取が重要であり、一度に大量のレジスタントスターチを摂取するとガスや腹部の不快感を引き起こすことがあるため、クライアントにも初めて摂取する場合は少量から始め、徐々に量を増やしながら体を慣らしていくようアドバイスしてください。また、レジスタントスターチを含む食品は多様であり、様々な食品からバランスよく摂取することが大切ですので、食事プランを作成する際にはクライアントの好みやライフスタイルに合わせて多様な食品を提案し、加熱してから冷やすことでレジスタントスターチを増やすことができる食品(例:ご飯、パスタ)を活用すると効果的です。クライアントには、調理法による栄養素の変化についても教えてあげると、より理解が深まります。

冷やし焼き芋のブームをきっかけに、レジスタントスターチの健康効果についての関心も高まっています。レジスタントスターチは、腸内環境の改善、血糖値の安定化、満腹感の向上など、多くの健康効果を持つ成分です。トレーナーにとって、クライアントにこれらの知識を伝え、具体的な食品例を提供することは、健康的な食生活をサポートする一助となります。トレーニングプログラムと併せて、食事面からもクライアントの健康をサポートするために、レジスタントスターチの活用をぜひ検討してみてください。
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