オーバートレーニング症候群とは

オーバートレーニング症候群(OTS)とは、過剰な運動やトレーニングが原因で身体が十分に回復できない状態を指します。この状態になると、筋力や持久力が低下し、パフォーマンスが向上しなくなるだけでなく、疲労感、筋肉痛、精神的なストレス、不眠などの症状が現れることがあります。OTSはアスリートだけでなく、一般のトレーニング愛好者にも発症する可能性があります。

OTSを引き起こす原因

●過度なトレーニング量
休息を取らずに長時間または高強度のトレーニングを続けること。具体的には、週に6〜7日、1日あたり2時間以上の高強度トレーニングを行うことが該当します。
●不十分な回復時間
筋肉や神経系が完全に回復する前に次のトレーニングを行うこと。例えば、高強度のトレーニング後に24〜48時間の休息が必要とされるのに対し、12時間未満で次のトレーニングを行う場合などです。
●栄養不足
適切な栄養補給がない状態での過度な運動。具体的には、1日のカロリー摂取量が消費カロリーを
大幅に下回る、またはタンパク質摂取量が体重1kgあたり1.2g未満の場合が該当します。
●精神的ストレス
トレーニング以外の生活でのストレスが蓄積すること。例えば、仕事や学業のストレスが高い状態での過度なトレーニングがこれに該当します。

主な症状

●持久力や筋力の低下
トレーニングを続けても成果が出ない、または以前よりもパフォーマンスが低下する。
●持続的な疲労感
十分な休息を取っても疲労が回復しない。
●精神的なストレス
イライラや集中力の低下、モチベーションの喪失などが見られる。
●睡眠障害
不眠や睡眠の質の低下。
●免疫力の低下
風邪や感染症にかかりやすくなる。
OTSは、アスリートだけでなく、一般のトレーニング愛好者にも発症する可能性があります。特に、トレーニングに熱心で自己管理が難しい場合、過度なトレーニングに陥りやすくなります。 

OTSを防ぐための具体的な方法

オーバートレーニング症候群(OTS)を防ぐためには、適切なトレーニング計画と自己管理が重要です。以下に、OTSを防ぐための具体的な方法を紹介します。
1. トレーニングの計画と調整
周期的なトレーニング計画を取り入れ、トレーニングの強度や量を一定期間ごとに変化させる「ピリオダイゼーション」を実施することが重要です。例えば、4〜6週間の高強度トレーニングの後に1週間の低強度トレーニングを挟むことで、身体に回復の時間を与えます。また、週に少なくとも1〜2日の完全休息日を設け、身体を休めることが大切です。

2. 適切な回復時間の確保
トレーニング後には十分な休息を取ることが不可欠です。特に高強度のトレーニング後には、24〜48時間の休息を心がけることが必要です。また、トレーニング後にはストレッチや軽いクールダウンを行い、筋肉の緊張をほぐすことも効果的です。

3. 栄養管理
バランスの取れた食事を心がけ、炭水化物、タンパク質、脂質を適切に摂取することが重要です。トレーニングによって消費されるエネルギーを補うため、特にタンパク質は筋肉の回復に必要です。また、トレーニング量に見合ったカロリーを摂取し、エネルギー不足にならないようにすることも大切です。

4. 睡眠と休息
十分な睡眠を取ることが身体の回復には欠かせません。1日7〜9時間の質の高い睡眠を心がけるとともに、ストレスを軽減するためにヨガや瞑想、趣味の時間を取り入れることも有効です。

5. 自己モニタリング
体調のチェックを行い、トレーニング日誌をつけて疲労感や体調の変化を記録することが大切です。異常があれば早めに対応することが重要です。また、定期的に自身のパフォーマンスを評価し、必要に応じてトレーニング内容を調整することも推奨されます。

6. 専門家のサポート
専門のトレーナーやコーチと相談し、個々の状態に合ったトレーニング計画を立てることが効果的です。これにより、無理をせずに最適なトレーニングを続けることができます。

オーバートレーニング症候群を防ぐためには、自己管理と適切なサポートが不可欠です。無理をせず、自分の体の声をしっかりと聞きながらトレーニングを続けることが、長期的な健康とパフォーマンス向上につながります。
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