「食養生」という考え方

現代社会では、朝起きるのがつらい、疲れが取れない、病院に行くほどではないけれど、ちょっとした体調不良に悩む人が増えています。そんな時、自分が食べている物を見直してみることが大切です。体はすべて食べた物から作られています。時間がないからと、一時的に空腹を満たすために好きな物だけを食べるのではなく、体が本当に欲している物を食べることが重要です。

食養生の基本理念

考え方として、中医学の「食養生」があります。食養生とは、体質に合った食べ物を取り入れ、体を内側から改善し、自己回復力を高めることを目的としています。一般的には、炭水化物、たんぱく質、脂質といった栄養素をバランスよく摂ることが推奨されていますが、食養生ではそれに加えて、個々の体質や健康状態に応じた食材選びが重要となります。
パーソナルトレーナーとしては、クライアントの体調や目標に応じた食事アドバイスを提供し、「食養生」という考え方を取り入れることで、トレーニング効果を最大限に引き出すことが可能となります。具体的な実践例とその効果を挙げますので、クライアントにどのようにアドバイスするかを見ていきましょう。

実践例と効果

①冷え性の改善:生姜、シナモン、鶏肉、羊肉、にんにくといった食材は体を温める効果があり、血行を促進し、冷え性を改善します。
●アドバイス:クライアントが冷え性で悩んでいる場合、温め効果のある食材を日常の食事に取り入れるように提案します。例えば、朝のスムージーに生姜を加える、夕食に鶏肉や羊肉を使った温かい料理を勧めてみましょう。
②エネルギー補給:トマト、赤いパプリカ、サツマイモ、人参などの赤い食材は血液の循環を良くし、エネル
ギーを補給する効果があります。
●アドバイス:クライアントが疲れやすいと感じている場合、エネルギーを補給する赤い食材を積極的に摂取するように勧めます。例えば、トレーニング後の食事にトマトサラダを追加する、赤いパプリカを使ったスープを取り入れることを勧めてみましょう。
③ストレス解消:ほうれん草、セロリ、緑茶、クコの実といった食材はリラックス効果があり、ストレスを
軽減することが期待できます。
●アドバイス:クライアントがストレスを感じているとわかった場合、リラックス効果のある食材を取り入れるように勧めます。例えば、サラダにほうれん草を使う、夜のリラックスタイムに緑茶を飲むことを勧めてみましょう。但し、緑茶にはカフェインが入っていますので、注意が必要です。

食養生の実践方法

食養生を実践するためには、まず自分の体質を理解することが重要です。中医学の専門家や栄養士などに相談し、自分の体質に合った食材を選びましょう。また、食材の調理法にも注意を払うことが大切です。例えば、冷え性の人は生野菜よりも温野菜を摂るようにし、体を冷やさないよう工夫します。

パーソナルトレーナーとして、クライアントの健康をサポートすることは非常に重要ですが、すべての健康問題に対応できるわけではありません。クライアントに対して、必要に応じて専門医の受診を勧めることも、重要なサポートの一環です。
良いパフォーマンスをするためには、健康な体が資本です。「食養生」という考え方を取り入れ、自分の体質に合った食材を選び、バランスの取れた食事を心掛けることで、体を内側から整え、健康を維持しましょう。しっかり食べて体を作り、トレーニングや日常生活に活かしていきましょう。
「食」に関する正しい知識が学べるNESTAの注目プログラム!
フィットネスニュートリションの詳細はコチラ