アンケート調査結果:第1位は「清潔感のある身なり」

パーソナルトレーナーにとって、大切なことは何だと思いますか?経験年数、実績、トレーニングの知識。もちろんどれも大切なことですが、他にも大切なことがいくつかあります。最近の業界のアンケート調査によると、「パーソナルトレーナーを選ぶ際に、一番決め手になった事は?」という質問に対して、一番多かった答えは「清潔感のある身なり」という結果でした。
人は、第一印象でその人のことを判断してしまう、という傾向があります。特に指導者の立場であるパーソナルトレーナーにとっては大切なことであり、初めてパーソナルトレーニングを受ける人は、「どんな人が教えてくれるのかな?」という不安と期待を持ってジムに来ます。その期待を、期待以上に変えるためにはどのような点を注意したら良いか?一緒に見ていきましょう。

パーソナルトレーナーとしてのプロフェッショナリズムは、ただの技術や知識にとどまらず、クライアントと出会う第一印象も極めて重要なのです特に「清潔感」は、クライアントの健康と直接関連しており、トレーナーに求められる基本的な要素です。清潔感のある身だしなみがなぜ重要であるか、その科学的および心理学的な側面から掘り下げてみましょう。

心理学的視点

清潔感は、クライアントに安心感を提供します。人は無意識のうちに清潔な人を信頼し、その指示やアドバイスに耳を傾ける傾向があります。これは「ハロー効果」と呼ばれる心理現象の一つで、見た目が良いと他の特性も良いと評価されやすい効果です。トレーナーが清潔感を保つことで、クライアントのトレーナーに対する信頼感を高めることができ、これが最終的にはリテンション率(一定期間内に特定のグループや顧客が維持された割合を示す指標)の向上につながります。

科学的視点

清潔な外見は、皮膚疾患や感染症の予防という点でも非常に重要です。トレーナーはクライアントに物理的に接触する職業であり、衛生管理が不十分な場合、皮膚病や感染症を広げるリスクがあります。特にフィットネス施設内は汗や体液の飛沫が起こりやすい環境であるため、トレーナー自身が清潔を保つことは、クライアントの健康を守るうえで不可欠です。

実践的な清潔感の維持方法

1. 清潔な服装の選び方
抗菌性の素材や速乾性の高いウェアを選ぶことで、長時間のトレーニングでも衛生状態を保ちやすくなります。特に、汗をかいてもすぐに乾く素材は、バクテリアの繁殖を防ぎ、悪臭を抑える効果があります。また、トレーニングウェアは定期的に洗濯し、常に清潔な状態で使用することが重要です。汗をかいた後は、すぐに着替える習慣をつけるとさらに印象は良くなります。

2. トレーニング前後の衛生管理
トレーニングの前後には必ず手洗いをし、適宜消毒剤を使用することが大切です。特にジムの共用器具を使用する場合は、手洗いや消毒を徹底しましょう。また、トレーニング中の汗や体臭を抑えるために、デオドラントや制汗剤の使用を検討するのも良いでしょう。トレーニング後は必ずシャワーを浴び、汗を流して清潔な状態を保つことも重要です。

3. 見た目の清潔感を保つためのグルーミング(言いますか?)
髪の毛は常に清潔に保ち、必要に応じて整髪料を使用してスタイリングします。無精ひげは避け、清潔感を出すためにもこまめに剃ることが望ましいでしょう。また、爪は短く整え、手や足の衛生状態を保つことも大切です。口臭対策として、トレーニング前には歯磨きを行い、口腔ケアを怠らないようにしましょう。

4. トレーニング装備と備品のクリーニング
トレーニング用の装備や備品類も定期的に洗浄または交換し、常に清潔な状態を保持します。ヨガマットやタオルなどの個人用アイテムは、使用後すぐに洗濯し、衛生状態を維持します。ジムの共用器具やマシンも定期的に消毒し、他の利用者に対する配慮を忘れないようにしましょう。定期的な点検とメンテナンスも行い、常に清潔で安全な環境を提供することが重要です。

また、意外と見られていて実は自分では気づきにくい箇所があります。それは、爪です。ストレッチやトレーニングのフォームの修正のときなどにクライアントの身体に触れることがあると思います。その時に爪が伸びていると、クライアントの身体を傷つけてしまうこともあり、見た目としても良いものではありません。
このようにトレーナーにとっては爪の手入れも大切です。最初に会った時点で、相手からの好感度をグッと引き上げておきましょう!

清潔感があり元気な挨拶と笑顔を持つトレーナーは、クライアントだけでなく雇用主からも好印象を持たれ、選ばれる(雇用される)可能性が高くなります。このように外見は、単なる見た目の良さを超え、プロフェッショナリズムと信頼性を示し、クライアントとの信頼関係を築く上での基本となります。もし自身の外見に不安がある場合は、同業種だけでなく異業種の知人からのフィードバックを求めると良いでしょう。その意見が「これで大丈夫?」というものであれば、改善が必要かもしれません。清潔で活気のある身だしなみは、「この人から学びたい」と思わせるための重要な要素なのです。