心拍数の理解

心拍数は、ウェアラブルウォッチや脈を測ることなどで、安静時と運動時を測定します。安静時の心拍数を知ることは、ストレスレベルやオーバートレーニングの指標となり、運動時の心拍数において、運動強度の良い目安となります。心拍数は、運動を継続することで変化する場合がありますが、計測を続けることにより身体のコンディショニングの良いバロメーターにもなります。

安静時の心拍数

安静時の心拍数は、ベッドに横たわっているとき、具体的には、夜に眠る前や朝一番の静かな状態で測定するのがよいでしょう。安静時の心拍数を測定するには、自分の脈を見つけて30秒間数えます。その後、30秒間の計測結果を2倍して、1分間あたりの心拍数(bpm)を求めます。
安静時の心拍数は日によって多少変動しますが、これは正常なことであり、継続的に計測することにより自分にとっての正常な範囲を把握することができます。
一般的に、安静時の心拍数は60から80 bpmの範囲にありますが、アスリートは40 bpm以下の心拍数を持つこともあります。不安やストレス、興奮などの感情が安静時の心拍数に影響を与える要因となり、心拍数を上げることがあります。
また、ニコチン、カフェイン、偽フェドリン、エフェドラなどの薬物も同様の効果をもたらします。
発熱、病気、過度のトレーニング、大量の食事も心拍数を上昇させる要因となります。
数ヶ月のトレーニングを行うと安静時の心拍数がわずかに減少することがあります(5から10 bpm程度)。これは健康的な兆候で、神経系がよりリラックスし、バランスが取れていることを意味します。

運動時心拍数

運動の強度が高いほど心拍数が上がるのは、栄養素や酸素をたくさん運び、熱や老廃物を除去するために血液量が増えるからです。つまり運動中の心拍数は、自分がどれくらい頑張っているかを示しています。
医師やパーソナルトレーナーなどの運動プログラムの作成者は、個人の強度に合った心拍数を設定しているかもしれません。特に健康上の問題がある場合、安全に運動していることを確認するために心拍数を特定のレベル以下に保つように指示されることもあります。
目標心拍数はさまざまな方法で計算することができ、運動時の心拍数を測定した運動テストで計算することもあります。運動中の感じ方(楽さ、つらさ)と心拍数は相関関係にあることが多く、実際の運動テストに基づく目標心拍数は他の方法に比べて、より良い運動強度の設定に役立ちます。
また、年齢に基づいて予測された最大心拍数から計算された目標心拍数は個人差があるので、必ずしも正確ではないこともあります。最大心拍数の予測には、10 bpmの標準偏差があります。たとえば、あなたの年齢に対して予測される最大心拍数が170 bpmのとき、同じ年齢の人のうち2/3程度は160~180 bpmの最大心拍数になるということです。
目標心拍数を用いて毎回運動を行うようにすると、目標範囲がどのように感じるかわかってくるでしょう。推奨された範囲より低い場合はあなたの心拍数は平均より低いのかもしれませんし、軽い負荷でも心拍数が高くなってしまう場合は平均よりも心拍数がやや高いかもしれません。トレーナーに相談しながら運動してみましょう。
また、定期的な運動を行ううちに、運動時の心拍数が低下していくようになるかもしれません。これは、体がエネルギーをより効率的に生産できるようになっていることを示すサインです。目標心拍数で運動するためには、より運動強度を高くする必要があるかもしれません。