押さえるべきパーソナルトレーナーの法的知識(契約・責任編)

パーソナルトレーナーとして、クライアントとの信頼関係を築き、トラブルを未然に防ぐために、しっかりとした法的知識を持つことが求められます。今回は、押さえるべきパーソナルトレーナーの法的知識part1、「契約・責任」に関わる具体的なポイントを挙げて解説します。

1. 契約書の整備

クライアントとの契約は、口頭での約束だけではトラブルに発展することがあるため、必ず書面での契約書が必要です。契約書には次のような項目を明記すると良いでしょう。
●サービス内容:どのようなトレーニングを提供するのか(個別指導、グループレッスン、オンライン指導など)を具体的に記載します。
●料金:トレーニング料金や支払い方法、支払い期限を明記します。また、キャンセル料金の規定も記載しておくことで、クライアントとのトラブルを防げます。
●契約期間:契約の有効期間を明記し、長期契約の場合は更新や解約の条件も記載します。
●キャンセルポリシー:セッションのキャンセルや、日程変更に関するルールを定め、クライアントが予約等をキャンセルした場合の対応を明確にします。
これらを文書化し、クライアントと署名を交わすことで、双方の権利と義務が明確になり、トラブル発生時に法的な証拠として使用できます。

2. 免責事項と責任の範囲

トレーニング中にクライアントが負傷した場合、トレーナーがその全責任を負うわけではありませんが、トレーニングに伴うリスクをクライアントに事前に認識させ、書面で同意を得ることが重要です。具体的には次の内容を同意書に含めると良いでしょう。

●リスクの説明:トレーニングに伴う怪我や健康への影響の可能性について、クライアントに十分に説明します。
●免責事項:トレーニング中の事故や怪我が自己責任であること、またクライアントの健康状態が自己管理に基づくものである旨を記載します。
●健康状態の確認:クライアントの事前の健康状態を確認し、特定の持病や制限事項がある場合、その情報を提供してもらいます。
トレーナーは、事前のカウンセリング等で、責任の範囲を明確にし、クライアントとの合意を文書化することで、後々のトラブルを避けることができます。

3. 保険加入の義務

トレーニング中の事故やケガに備えて、賠償責任保険に加入することは必須です。保険がない場合、万が一の事故が発生した際、個人事業主として損害賠償を自己負担しなければならなくなるリスクがあります。具体的に加入すべき保険には以下が含まれます。
●賠償責任保険:クライアントや第三者がトレーニング中に負傷した場合、損害を補償する保険です。賠償金の支払いが発生した場合に備えます。
●施設利用時の保険:トレーニング施設やジムを使用する際、その施設に損害を与えた場合の補償をカバーする保険です。
●NESTAの会員制度:・損害賠償責任保険付帯(1事故最大1億円)パーソナルトレーニングの需要が増える中、指導者側がどんなに気をつけたとしても、偶発的な事故というのは、一定の確率で起きてしまうものです。それによって、もしあなたが多額の損害賠償責任を負うことになってしまったら…
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※契約書等は、弁護士、行政書士などの専門に相談して確定することをお勧めいたします。
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