ステビアとはブラジルやパラグアイを原産地とするハーブの一種です。パラグアイでは1500年も前からステビアの葉を苦いマテ茶に混ぜて甘味付けにしたり、お茶や薬を甘くするために使用したり、甘いおやつとしても噛んだりしていました。天然の甘味料として使用された歴史があるということです。
ステビアの甘さの正体
ステビアの甘さの正体はステビオール配糖体という化合物です。ステビアの葉から抽出された精製エキスの場合は砂糖の200〜300倍の甘さ。ステビアの葉そのものだと砂糖の20〜30倍の甘さです。
ステビア種子が日本に持ち込まれたのが1970年。ステビアの甘味料が商品化されたのは1972年で現在でも人気のある甘味料です。ステビアは主にパラグアイ、ケニア、中国、アメリカで栽培されており、ベトナム、ブラジル、インド、アルゼンチン、コロンビアなど、世界の他の多くの地域でも栽培されています。日本ではまだ化学添加物の扱いなのが非常に残念です。
様々な研究結果
●2型糖尿病の発症を防ぐ
最近、ステビアに血糖値を下げる効果があることが発表されました。ステビアには、血糖をエネルギーに変える働きをするインスリンの分泌を促すTRPM5というチャネル分子を刺激することがわかったのです。
まだ、はっきりとしたメカニズムが解明されたわけではありませんが、甘いものを食べて糖尿病を防ぐという夢のような治療が行われる日が来るかもしれません。
●血圧を下げる
ステビアに含まれるステビオシドという甘味成分に、なんと、血圧を下げる効能があるということが発表されました。こちらもまだ研究の途中ではありますが、薬ではなく食品、それも甘味料によって血圧を下げるメカニズムが解明されれば、私たちの生活も大きく変わってくるかもしれません。
その他、甘いけど血糖値を上げない。天然の甘さのおかげで砂糖の量を減らすことが容易になり、肥満の軽減や予防に役立つ。脂肪管理の目標を達成するのに役立つツールとして有望な糖類として注目を浴びています。
ステビアの安全性について
高純度のステビア抽出物であっても、食品および飲料への使用について、合同食品農業機関/ WHO食品添加物専門家委員会およびコーデックスを含む主要な規制当局によって承認されています。また、FDA(Food and Drug Administration、米国食品医薬品局)によってもGRAS(一般に安全と認められている)と見なされています。
使用上の注意点
ステビアは天然由来の甘味料ですが、使用にあたっていくつかの注意点があります。
●アレルギー:ステビアはキク科の植物であり、キク科アレルギーを持つ人はアナフィラキシー反応を起こす可能性がありますので注意が必要です。
●妊娠中・授乳期の摂取:一部の動物実験で妊娠率の低下が報告されたことがあるため、妊娠を希望する方は念のため摂取を控えるたほうが良いかもしれません。
ステビアの研究は世界各国で続けられています。甘味料としてだけではなく、医療現場等でも活躍が期待される食品ですので、今後研究が進み、ステビアの全てが解明される日が待ち遠しいです。ただ、危険性も全て解明されているわけではないので、効能ばかりに注目して、必要以上に摂りすぎるということがないよう気を付けることも大切です。ステビアを上手に利用して、美容や健康に役立てましょう。
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