その湿布、いつまで貼り続けますか? ――「貼る前に、できること」があるかもしれません

 

「いつも肩が重い」「夕方になると腰が痛い」――
そんな毎日を、なんとなく湿布や痛み止めで乗り切っていませんか?

たしかに、医療のサポートは心強い存在です。
しかし、薬や湿布を使う前に、生活の中でできる工夫があるかもしれません。

最近では、「それが本当に必要な処方だったのか?」「もっと他にできることはなかったか?」といった問い直しが広がっています。

注目されているのが「低価値ケア(low-value care)」という考え方です。
効果がはっきりしない検査や治療、薬の処方が繰り返されると、かえって体への気づきを遠ざけてしまうこともあるのです。

医療の力を正しく活かすには、
「必要なもの」と「日常でできること」のバランスが大切です。

湿布や痛み止め、若年層でも処方が増加

痛みに対処する方法として広く用いられているのが、湿布薬や消炎鎮痛剤です。整形外来などの医療現場で頻繁に処方されています。

忠、これらは痛みの根本的な原因を解決するものではなく、一時的に症状を和らげるための対症的な対応に止まるケースも少なくありません。

2021年度のある調査では、湿布や痛み止めを処方された人のうち、40代以下が約25%を占めていたと報告されています。
特に20代・30代では、スポーツや仕事での姿勢不良により、慢性的な肩こり・腰痛に悩む人が年々増加しています。

  •   日本では、湿布薬が年間6億枚以上処方されている
  •   消炎鎮痛貼付剤の市場規模も拡大傾向にある
  •   若年層への処方が“慣習的”になっている例も見られる

こうした状態は「薬を貼っておけば安心」という意識を生みがちですが、根本の原因(生活習慣)に目を向ける必要があります。

こうした痛みは“習慣病”に近い

肩こりや腰痛の背景には、次のような生活習慣が影響しています。

  •   長時間のデスクワークやスマートフォン操作
  •   運動不足による筋力低下や姿勢の乱れ
  •   睡眠不足やストレスによる体の緊張状態

これらは年齢や性別に関係なく起きており、湿布や薬だけでは根本的な解決にはつながりません。
将来トレーナーを目指すのであれば、「それは習慣の問題かもしれない」といった気づきを与えることが、相手の意識を変える第一歩になります。

日常の運動が、医療の手前にある「もう一つの支え」

運動習慣は、こうした慢性的な痛みや不調を防ぐための“もう一つの選択肢”です。

  •   厚生労働省の調査では、日本人の約53%が運動不足
  •   週2回以上、30分以上の運動習慣がある人は全体の3割未満
  •   運動習慣がある人ほど、肩こり・腰痛・ストレスの訴えが少ない傾向

運動は筋力アップだけでなく、姿勢改善・血流促進・睡眠の質向上など、体を整える力=「自己調整力」を高める手段でもあります。

以下のような行動から始めるだけでも、体は少しずつ変わっていきます。

  •   朝の軽いストレッチやラジオ体操
  •   通勤時に階段を使う・歩く距離を伸ばす
  •   仕事中に1時間に1回は立ち上がる

こうした習慣が、「必要以上の薬や検査に頼らない日常」を支えてくれます。

トレーナーが伝えられる“医療の外側”の選択肢

薬や検査で解決できない不調に対して、体の動かし方や生活の整え方を伝えるのがトレーナーです。

  •   肩こりや腰痛を防ぐ正しい姿勢と動きの提案
  •   忙しい人でも続けられる短時間エクササイズの工夫
  •   生活習慣に気づくための“声かけ”や小さなヒントの提供

医療と生活はどちらか一方ではなく、支え合うもの。トレーナーは、その橋渡しを担う存在です。

最後に

治療が必要なときに医療を受けることは、もちろん大切です。
しかし、「貼っておけばいい」「飲んでおけば安心」という状態が続いてしまうと、体の変化に気づく力を失ってしまうかもしれません。

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