刑事責任と民事責任

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スポーツは、健全で健康的なイメージが先行し、そこに秘められているリスクを軽視する指導者や経営者は、いまだに多く存在しています。スポーツやフィットネスの中で起こる問題は、クライアント本人だけではなく、クライアントの大切な家族や、関わっているすべての人の人生・命を左右するようなことに発展する可能性が大いにあります。
運動指導者は、基本的なリスクマネージメントを理解しておきましょう。
法的責任には、次の2つの責任があります。

刑事責任

国家が罪を犯した者に、その罪を問う事件などが対象となります。また警察等の捜査官が犯罪行為に当たると判断した場合に介入することになります。
つまり、刑法に触れる責任(刑事責任)ということになり、刑事裁判を受け有罪であれば逮捕・勾留など身柄を拘束されることになります。

・暴力的行為:体罰・暴行・傷害など
・わいせつな行為:セクハラ・強姦など
・業務上過失:事故による傷害や死亡



民事責任

人と人が争う事件などが対象となります。
警察の民事不介入となるため刑事手続きのような逮捕・勾留はありません。
しかし、事件によって発生した損害に対する補償を求める損害賠償請求が発生することがあります。

・不法行為責任:故意または過失により事故が発生した場合など
・使用者責任:従業員が不法行為などを行った場合など
・債務不履行:責任加害者と被害者が契約関係にある場合など
このように、トレーナー・コーチ・インストラクターなど、指導者となる人のもとで事故が発生した場合は、刑事責任として「業務上過失致死罪・業務上過失傷害罪」、民事責任では「不法行為責任」であり、クライアントと契約を交わしていたならば「債務不履行責任」も発生する可能性があります。